思考は、いまこの瞬間を嫌っているので、いつもそこから逃げようとしています。
つまり、思考を「本当の自分」とみなせばみなすほど、
苦しみは増すばかりなのです。
しかし、それは見方を変えると、
「いま、この瞬間」を、あるがままに受け入れるほど、
痛みや苦しみはなくなるということなのです。
自分にも、人にも、もう痛みを与えたくないならば、
そして、自分の中で生き続ける過去の「痛みの残りかす」を、
もうこれ以上増やしたくないならば、
取るべきステップは、ただひとつです。
それは、「時間の概念を捨てること」です。
普段の生活の中で、必要以上に時間に囚われない様
心がけるだけで、人生が変わってくるはずです。
実際にどうすれば、時間の概念を捨てられるでしょうか？
それは、「いまこの瞬間」以外は、
存在しないのだという事実を、心の底から悟ることです。
「いま、この瞬間」に焦点を当て、
これを人生の真ん中に据えるのです。
これまでは、「時間の世界」に住み、
時折訪れる程度だった「いま、この瞬間」を、
「すみか」とし、
物事を解決するのに必要な時だけ、過去と未来を訪れるのです。
いつでも、「いまこの瞬間」を、
「ＹＥＳ！」 と言って抱きしめるのです。
エックハルト・トール 「超シンプルなさとり方」抜粋
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